タンパク代謝の検査

検査の目的:総タンパクとアルブミンの値は栄養状態や肝臓・腎臓の状態などを反映します。

血液から赤血球、白血球、血小板などの血球成分を除いた、血漿中の蛋白成分のことをいいます。血液中のタンパク質を検査することで、栄養状態や健康状態、肝機能や腎機能の状態を確認できます。血液中のタンパク質は、その多くが肝臓で作られます。肝臓でタンパク質を作る際にはアミノ酸などが必要で、栄養状態が悪いとアミノ酸などが不足し、タンパク質も不足します。また、肝機能に障害がある場合も、タンパク質を十分に作ることができず、数値が低下します。
アルブミンはタンパク質の一種で、血液中タンパク質の約65%を占めます。血液の浸透圧を保つ役割や、栄養分やホルモンなどを各臓器や組織に運ぶ役割を持っています。アルブミンは肝臓で合成されるため、その数値によって肝機能の状態を検査できます。検査値が低い場合は、栄養不足、肝機能障害、ネフローゼ症候群(腎臓の病気)などが考えられます。

肝機能の検査

検査の目的:肝臓細胞の破壊などにより流れ出てくる酵素の量や、肝臓で分解合成されて出てくる酵素の量を調べます。

GOTは肝臓、筋肉、赤血球などに多く存在する酵素です。それらの臓器や組織に障害が生じたり、破壊された場合は血液中に流出します。肝炎・肝脂肪・肝硬変などの肝臓障害あると、数値が特異的に上昇します。また、他の臓器に異常が起こった場合にも、数値に異変が現れます。
アミノ酸代謝に重要な働きをする酵素で、GPTは主に肝臓に含まれています。肝機能に障害がある場合や肝細胞が破壊された場合は、血液中に流出してGPT値が上昇します。
γ−GTPは、肝臓の障害を調べる重要な検査項目です。特にアルコールが原因で肝臓に障害が起こると、肝細胞に存在するγ−GTPが血液中に流出して特異的に上昇。基準値の数倍から数十倍に、数値が上がります。禁酒により数値は低下し、約2週間程度の禁酒で数値は半分くらいになりますが、アルコール性肝炎やアルコール性脂肪肝に進行している場合は、もっと長期の禁酒が必要です。

脂質代謝の検査

検査の目的:血液中の脂肪から高脂血症であるか、動脈硬化を起こしやすいかを調べます。

総コレステロールとは、血中に存在するコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の総数のこと。
コレステロールは、人間の生体活動において重要な成分の1つです。しかし、コレステロールが過剰になると、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなります。一般に220mg/dl以下が望ましいといわれています。
中性脂肪は血液中の脂肪の一種で、エネルギー源として重要なものです。しかし、基準値を超えるような場合には、動脈硬化や心臓病、脳卒中などの生活習慣病リスクが高まり、すい臓炎の原因ともなります。
数値が高い原因としては、暴飲暴食や運動不足など、生活習慣が原因となるケースが多いと考えられます。減りすぎると脂溶性ビタミンの吸収が低下し、体の潤いや肌の張りなどが損なわれることもあります。
HDLコレステロールは俗に善玉コレステロールと呼ばれ、数値が高いほど、動脈硬化などのリスクを下げることができるコレステロールです。
HDL-コレステロールは生活習慣による影響を受けやすい性質があり、高めであれば長寿といわれています。低下している場合は、高カロリー食・運動不足・肥満・喫煙などが原因とされ、動脈硬化などのリスクが高まります。

尿酸の検査

検査の目的:腎臓から尿に排泄されるべき老廃物の量を調べて、腎臓の働きと痛風になりやすいかどうかを調べます。

尿酸は、プリン体という物質の代謝によって生じる燃えカスのようなものです。健康な人の場合は、その75%は腎臓でろ過され尿中に排泄され、残りは胆汁とともに便中に排泄されます。しかし、腎臓に障害があると血液中の尿酸が増え(高尿酸血症)、足の親指のつけ根などに沈着して痛風結節をつくり、痛風発作が起こります。数値が高い場合は、腎臓で排出できない・尿酸が多く作られてしまう・血液の病気・プリン体を多く含む食事の摂り過ぎ・過食・飲みすぎ・激しい運動などが考えられます。

腎機能の検査

検査の目的:腎臓から尿に排泄されるべき老廃物の量を調べて、腎臓の働き具合を調べます。

尿素窒素は血しょうの尿素に含まれる窒素分です。尿素はたんばく質の燃え尽きた物質として血液に含まれており、肝臓でアンモニアからつくられ、腎臓を通過する時に一部は血液中に戻り、残りが尿中に排出されます。尿素窒素の検査から腎臓の働きを知りたんばく質の代謝の状態を知ることができます。
クレアチニンは、体内で利用された老廃物の1つ。通常は腎臓から尿中に排泄されますが、腎臓機能に障害または能力の低下がある場合は、ろ過しきれずに血中に残ります。そのことから、クレアチニン濃度検査は腎臓のろ過能力を測る指標とされます。数値が高い場合は、腎臓機能の低下・心臓の病気・筋肉の病気・脱水・薬の服用などが考えられます。低い場合は、栄養状態の不良が考えられます。

糖代謝の検査

検査の目的:血液中の糖分から糖尿病を起こしやすいかを調べます。

血糖は、糖尿病診断に欠かせない検査項目です。糖尿病は、血液中のブドウ糖が異常に増加している状態で、その原因はすい臓から分泌されているインスリンの不足です。インスリンは、血中のブドウ糖をエネルギーに分解し、筋肉細胞に糖分を送る働きをしています。このインスリンが不足すると、ブドウ糖は使われないまま血液中に残り、高血糖状態となります。血糖値が高い場合は、糖尿病が疑われます。このほか、妊娠・ストレス・肥満・過激な運動・ホルモン分泌異常・脱水・すい臓の病気で、数値が高くなることがあります。
HbA1cはグリコヘモグロビンなどと呼ばれ、赤血球の中に含まれるヘモグロビン(血色素)にブドウ糖が結合したものです。HbA1cは血糖と異なり、食事による影響を受けず、過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖を分析することができます。

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