“がんは早期発見・早期治療が決め手”ということはみなさんのなかにも知識があると思います。とは言うものの、欧米に比べて日本人の多くは、まだまだ「病気が見つかったら治療しよう」という考え方が少なくありません。ただ、従来の腫瘍マーカーではがん細胞がある程度の量にならないと陽性になりにくいため、発見されたときは、それなりに進行しているケースも少なくはありません。今回新しく加わった「p53抗体」は血液検査のなかでも比較的早期のがんで陽性になるとされているため、このがんリスクチェッカーは早期発見・早期治療にとても有効です。
従来の腫瘍マーカー検査では、がん細胞が生み出す、もしくは関連する特殊なタンパク質を直接測定しており、それにはある程度のがん細胞の量がないと見つかりにくいものでした。「p53抗体」は、タンパクそのものではなく、がんを抑制している遺伝子の変異に対して、がん細胞が生み出すものを身体への異物とみなして発生する抗体を測定します。そのため、比較的がんが早期でも測定できる特徴があります。
出典:千葉県がんセンター 消化器外科(島田英昭先生)
p53抗体は「身体のどこかにがんがある」という検査は得意ですが、部位を特定するのが苦手です。p53抗体の検査でも、食道がん、大腸がん、乳がんなどの検査で陽性になるとされています。また、通常部位を特定して受ける他の腫瘍マーカーを組み合わせて検査することが有用で、陽性率が上昇するとされています。
がんリスクチェッカーは、比較的早期がんで陽性になる特徴がある「p53抗体」に、消化器系を中心にがんの血液検査として代表的なマーカー「CEA」を組み合わせて検査します。大腸がん・食道がん・子宮がん・乳がんなどのリスクチェクとしてご活用ください。
出典:埼玉医科大学 消化器一般外科(竹田明彦先生)
※上記の部位のがんで比較的CEA・p53抗体の値が上昇する
がんの発生の原因は、まだまだ不明な部分が多いのですが、長年の生活習慣が大きくかかわっていることは無視できません。偏った食事や脂肪分・塩分の多いものの摂取が続けば、胃や大腸などの消化器系のがんのリスクが高まるでしょう。また、喫煙や角の飲酒もlがんになる要因のひとつと言われています。これらは遺伝や年齢とは関係のない、まさに生活習慣そのものです。
心疾患や血管疾患とともに、がんも生活習慣に深く関係した病気だと言われており、禁煙、栄養バランスのとれた食生活、適度な運動など生活習慣の改善で、がんになりにくいからだ作りを心がけましょう。