胃がんの発生にヘリコバクター・ピロリ菌が関係していることがわかってきました。この菌をもっていると、ピロリ菌の感染→慢性胃炎→胃粘膜の劣化→胃がん発生、と連鎖していくのです。
ピロリ菌の感染経路は、経口感染が中心です。免疫力の弱い幼少期に保菌者である親などから、噛んでやわらかくした食べ物を子供に与えるなどすることで感染します。感染経路は完全に解明されたわけではありませんが、日本においては、20歳代の保菌率が20〜30%なのに対し、40歳以上は80%以上であることがわかっています。
もし、検査によってピロリ菌の陽性反応が出ても、約1週間の内服による除菌治療によって、ピロリ菌を除菌することができます。まずは怖がらずに検査を受けることが大切です。
医学博士
浜口伝博先生
長年、(株)東芝、日本IBM(株)などで、産業医として社員の健康管理にたずさわる産業医学の第一人者。